都市農村交流コーディネーター入門

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6. 都市農村交流コーディネーターが拓く未来

都市農村交流コーディネーターには、様々な新しい可能性が広がってきています。

 

 

6.1 地域プロデューサーとしての役割

えがおつなげては、「増富地域再生協議会」の事務局として、地域再生プロデュースにも取り組み始めています。そこでは、農村、森林資源にとどまらず、「都市と農村の交流によって、みんなが元気にくらせる地域を創る」総合的な取り組みを推進しています。

 

従来の体験活動、加工品開発などに加え、新規就農林者支援、地域農林業者育成、定住促進、増富地域の歴史・文化を継承するための研究会、廃校となった中学校の活用、空家活用、IT環境の整備、安心な暮らしの整備など、地域全体をみた事業プロデュースを展開していくことも、都市農村交流コーディネーターの次のステップとして期待されることです。

 

 

6.2 他地域へのノウハウ移転

えがおつなげては、山梨県北杜市増富地区で取り組んできたノウハウを、山梨県南アルプス市の南アルプスファームフィールドトリップ、福島県・三島町エコミュージアムなどに移転する事業を始めています。このように、地域で生まれたノウハウを、他地域に展開する力も求められていくでしょう。

 

 

6.3 マルチハビテーション(多地域居住)のプロデュース

今後、都市住民の中で、食料・エネルギー・暮らしの基盤・雇用・コミュニティなど様々なセーフティネットを求める気持ちは強くなっていくでしょう。そのような中、一時的な体験やボランティアだけでなく、都市だけでなく、農村にも自らの拠点を持つようなマルチハビテーション(多地域居住)が、都市住民にとっても不可欠になってくると考えられます。この動きを、高齢化・過疎化した農山漁村の新たな、多様な担い手となっていくようサポートすることが重要なテーマになってきます。

 

ある推計では、マルチハビテーションは、2005年の100万人(都市人口の2.5%)から、2020年には680万人(都市人口の17%)に拡大するというものがあります。


しかし、その実現のためには、農村側で多様な担い手を受け入れ、活用できる体制の整備、交通政策のあり方、企業の雇用・勤務形態のあり方、不動産、移送、医療サービス、税制など、新しい国づくりをデザインすることが求められます。

 

都市農村交流コーディネーターには、このような長期的な事業力が不可欠なのです。

 

 

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