カーボンオフセットファーマーの基礎知識

CO2排出をできるだけ抑え環境に配慮した農業を営むために、以下のような方法があります。少しずつでも前に進めるよう、可能なことから取り組んでいきましょう。

肥料について

Q.化学肥料は使わない方がいいのですか?
A.化学肥料を製造するのには、化石燃料が使用されています。また、国内で産出できない成分については海外からの輸入に頼っているものも多くあります。移動の際、化石燃料を使用することから、化学肥料の使用は控えた方がいいでしょう。
Q.どのような肥料がCO2排出という観点からお勧めなのですか?
A.基本的には、移動距離が少ないもの・化石燃料を使用せずに生まれるもの等の使用でCO2排出量を減らすことができます。たとえば地元の畜産農家が販売している堆肥、また原料としては、雑草・モミガラなど購入しなくてもいい循環型の素材があります。自分の身の回りにあるもの、肥料においても「地産地消」を行うことがCO2削減につながります。
Q.堆肥の利用はお勧めなのですか
A.移動距離が短いという点で、地元に堆肥を販売しているところがあればその利用がお勧めです。しかし堆肥にもいろいろなものがあり、質のよいものを選択するのが良いでしょう。質の悪い堆肥は病気や虫発生の原因となり、結果的に農薬の使用等の環境汚染にもつながります。堆肥を利用する際には、堆肥の成分分析を行います。過剰な肥料分は植物が吸収できないため、地下水の汚染などにつながります。前提として、自園の土壌分析を行い、適正な数値の施肥設計をすることで、環境汚染のない農業を営むことが可能です。

農薬について

Q.農薬の使用はCO2削減に関係がありますか?
A.農薬は製造時に化石燃料を使用することから、CO2削減に影響があると考えます。できるだけ使用しない農業をすることがお勧めです。また農薬は毒物でもありますから、農薬散布は環境中に毒物を排出していることでもあります。農薬の使用はできるだけ控えましょう。

燃料について

Q.施設園芸で燃料を使用しています。そういった農業には燃料は必須だと思いますが、CO2削減の観点からどのように考えればいいでしょうか
A.現在の日本の野菜販売は通年供給を主として考えられています。促成・抑制栽培など行う際には燃料の使用が前提になっており、燃料は必須の条件です。ただ、そんななかでもできることはあります。例えば、ボイラーのみの加温ではなく太陽熱を組み合わせる・施設内の温度を1~2度下げる等。これらは小さなことですが、全国の農業者がみなこのような取組をしたら大きなCO2削減につながります。