リアルカーボンオフセットファーマー

果樹モデル - 長野県Aさんの場合

  • 品目・りんご
  • 収量・3トン(10aあたり)
  • 栽培面積 160a
栽培の特徴
低農薬栽培に取り組み約20数年。肥料についてはコーヒーかす・お茶ガラなどの堆肥を使用。残留性が高く毒性の高い農薬は使用せず、天敵に優しい選択性の高い農薬を主に利用。剪定技術と日頃の観察力、足しげく圃場に通うことなどで慣行栽培の農薬使用量の半分以下での栽培を実現している。販売先は直売及び契約栽培。

カーボンオフセットの取組

低農薬での果樹栽培。除草剤・化学肥料の使用はなく草生栽培。

  • 燃料・ガソリン、軽油
  • 肥料・ジュース工場からの産業廃棄物(茶ガラ等)を利用した自家製堆肥。その他単肥として苦土分・石灰分など。
  • 種苗・自家育苗
  • 資材・ビニルマルチなどポリエチレン系資材を利用
  • 農薬・選択性の高い高価な農薬を使用、除草剤は不使用。
  • 使用機械・スピードスプレイヤー、乗用草刈り機、運搬用カート

カーボンオフセットファーマーの物語

「農薬はできるだけまきたくない。その気持ちは消費者よりも農民の方が強いものなんだよ」というAさん。長野県でのりんご栽培では、農薬の使用回数は早生品種で約30回、晩生品種で約35回(いずれも成分数)と、かなりの農薬を散布しなければなりません。そんな中でAさんは16回程度の農薬散布で除草剤も全く使用していません。一般の半分の農薬で作物を栽培するということは、その分手間と暇がかかっているということ。また直接取引の消費者に商品を提供しているため、りんごの食味にも気が抜けません。一般で常識のように行われている葉摘みをほとんどしないで、味ののったおいしいりんごを栽培しています。

施設園芸モデル - 石川県Bさんの場合

  • 品目・トマト、きゅうり、ミニトマト
  • 収量・13トン(10aあたり)
  • 栽培面積 30a
  • 栽培の特徴
    微生物資材を利用した微生物農法。土壌分析診断に基づく科学的なアプローチによる無農薬栽培である。

カーボンオフセットの取組

無農薬。加温は行わない施設栽培。
  • 燃料・ガソリン、軽油
  • 肥料・微生物資材・自家製ボカシ肥。
  • 種苗・自家育苗
  • 農薬・不使用。
  • 使用機械・耕運機等

カーボンオフセットファーマーの物語

「昨今の農業者は作物のために肥料を入れているが、本来健全な作物を栽培するためには、健全な土づくりが必要なはず。その土のバランス、物理性・生物性・化学性を整えるために、土に投資すれば土は必ず応えてくれる」と言うBさん。
一般的に何十回も農薬を使用して栽培しなければならないトマトの施設栽培で、無農薬栽培を可能にしているのはその技術。作物の様子を日々観察し、今何が起きているのか、何が足りないのかを即判断できる観察力と、データに基づく科学的なアプローチによる再現性可能な農業は、注目を浴びています。

有機JAS認証取得農家モデル - 埼玉県Cさんの場合

  • 品目・大根、葱、ブロッコリー、キャベツ、なす、とうもろこし、ズッキーニなど
  • 栽培面積 300a
  • 栽培の特徴 有機JAS認証取得

カーボンオフセットの取組

地元の堆肥と自家製ボカシを利用した有機栽培。
  • 燃料・ガソリン、軽油
  • 肥料・鶏糞堆肥・自家製ボカシ肥。
  • 種苗・自家育苗
  • 農薬・不使用。
  • 使用機械・耕運機等

カーボンオフセットファーマーの物語

2002年有機JAS認証を取得したCさんは、それ以前から無農薬で作物を栽培していました。非常に勉強家のため、実験的な天敵やバンカープランツの導入などを積極的に行っています。有機JAS認証を取得しても、そもそもが無農薬栽培をしてきたこともあり、とくに何が変わったというわけではないとCさんは言います。「しいていえば手間が大変なことくらい」と笑います。
農民ならば自家育苗が当然と、すべての苗を自分で栽培しています。また、葱やニンジン、葉物類などの自家採種も長い間続け、環境保全型の農業を実現しています。